【新築戸建て住宅】自分で登記①:全体の流れの話

不動産登記 マイホーム

この記事では、新築戸建て住宅を建てる際に必要な登記を自分でやった経験を記載していくシリーズの第1弾で、全体の流れを紹介します。私が自分で行ったのは以下の建物に関する登記です。

  • 建物表題登記
  • 所有権保存登記

これらを自分で行うにあたって、建物の完成、新住所への転入、引き渡し、融資実行など抑えるべきマイルストーンがあるのでそのあたりをお伝えしていきたいと思います。各申請内容は個別の記事にします。

自分で登記をやってみよう

きっかけ

本題が早く知りたい方はここは飛ばしていただいて結構です。

初めて住宅会社の方からもらった資金計画表(住宅、土地、外構、諸費用などの全てのコストが載ったもの)を見たとき、いろんなところでお金がかかるんだなぁ。。。と気が滅入りました。

  • 融資事務手数料
  • 登記費用
  • 長期優良住宅申請料

などなど、家を建てるための必要経費だけでも100万円以上はかかります。

基本的にケチな性分なので、真っ先にこの必要経費、減らせないかなぁと思いました。ネットで調べてみると、自分で登記をするための情報を発信している団体や、個人で自分で登記をした方のブログ、登記のやり方を説明しているように見せかけて難易度とリスクを強調するプロのホームページなどいろいろな情報が出てきました。

幸い私は育休中で、人によってはハードルになる平日の時間の確保が容易でしたので、とりあえず自分でやってみて、だめなら司法書士さんに泣きつこうという思いで自分で登記をする方向で動き出すことにしました。

自分で登記を行う意味

自分で登記をすることの意味で真っ先に思いつくものはやはり、数十万円の費用が浮くことです。

でも自分で登記をしてみて思ったのは、お金以外の効果が大きいなということです。

そもそもマイホームを建てるのは検討と判断の連続で、みなさまいろいろ大変な思いをしていると思います。そんな思いをして建てたマイホームの登記を自分の手でやり遂げたというのは、心地よい達成感を与えてくれました。

正直、マイホームの計画を進めていくと、数十万円の費用の増減は日常茶飯事です。それなので登記が完了するころには、費用が浮いたこと自体はそんなに大きな効果としては感じなくなっていたのです。ですが、この経験と達成感があったので、自分で登記をしてみてよかったなと思うことができました。

自分で登記をする全体像

私が行った登記の範囲

私の場合、土地から購入したので、本当は土地の登記も自分でやりたかったのですが、残念ながら、土地関連の登記は自分で出来ませんでした。

理由は、土地の購入条件に「登記は不動産業者指定の司法書士事務所に委託すること」という文言があったためです。ネットで得た知識を武器に、登記は原則自分で行うことになっているはず、と食い下がりましたが、認められませんでした。

数か月土地探しを続けて、やっと良い土地が出てきたことと、水道引き込み工事、見切りブロック工事などを売主側が負担してくれるので、それだけで数十万円分は費用が浮いていることも考え、土地の方の登記費用はお支払することにしました。土地関連の登記費用の総額は34万円ほどでした。

また建物を建ててから行う登記は3つあるのですが、そのうち抵当権設定登記だけは金融機関指定の司法書士に依頼しなければならないルールだったので、5万円程度支払って依頼しました。

残りの建物表題登記と所有権保存登記を自分で行いました。

前提条件

自分で登記をするための前提条件はいくつかあります。逆に言うと、これだけクリアできれば自分で登記をすることはさほど難しくはないなと感じました。

  1. 住宅会社の担当者の協力が得られること
    住宅会社から入手する書類がいくつかあります。特に工事完了引渡証明書は実際の引き渡しより前に受け取る必要があるので、それが可能か確認してみてください。
    ・建築確認済み証
    ・工事完了引渡証明書
    ・(長期優良住宅の場合)長期優良住宅申請書の副本および認定通知書の写し
  2. 住宅ローンを借りる場合、金融機関の協力が得られること
    私の場合、金融機関(ARUHI)指定の司法書士を利用しなければならないのは抵当権設定登記だけでした。
    しかし、金融機関によっては建物表題登記や所有権保存登記も指定してくる場合があるようです。それが融資の条件になっていることもあるようなので、よく確認しておきましょう。
  3. 平日に時間を取れること
    平日に法務局の相談員と登記に関する相談をすることができます。ネットで調べればいくらでも情報が出てくるし、法務局との申請のやり取りは全て郵送でいいよ!という強気な方もいるかもしれないのですが、ぜひ法務局に相談されることをお勧めします。
    理由としては、全国津々浦々にある法務局によって、登記申請のチェックポイントが異なる(特に建物表題登記)ためです。
    私は神奈川県に住みながら、静岡県に新築の建物を建てたのですが、神奈川県で登記の相談をしようとしたところ、静岡県とはやり方がだいぶ違っていて、こちらでのアドバイスが有効でない可能性が高いので、静岡県の法務局に直接相談してください。と言われました。
    それなので、登記失敗のリスクを減らすためにも法務局の相談員の方はフル活用してください。私を担当してくれた方も親切でしたし、ほかの方のブログを見ていても好印象に感じる方が多いようです。

登記の流れ

では、本題の登記の流れに入りたいと思います。まず基本の登記自体の順序は以下です。

  1. 建物表題登記
  2. 所有権保存登記
  3. 抵当権設定登記(住宅ローンを借りる場合に必要)

続いて、もろもろのマイルストーンを入れるとこうなります。私の場合はこの流れで登記を実施しました。

  1. 法務局相談員との相談日程の予約
  2. 申請書、図面の作成
  3. 法務局相談員との申請書図面チェック
  4. 建物工事完了
    ※ここで言う工事完了とは、キッチントイレ洗面風呂の水回りと、屋根と外壁工事が完了していることを指します。それ以外の工事が終わっていなくても問題ありません。
  5. 建築確認済証、引渡証明書の受領
  6. 建物表題登記申請
  7. 建物実地調査
  8. 建物表題登記完了証受領
  9. 家屋証明書受領
  10. 新住所への転入
  11. 所有権保存登記申請
  12. 建物権利書受領
  13. 抵当権設定登記
  14. 住宅ローン融資実行
  15. 建物引渡

この流れに実際に私が登記をしたタイムラインを加えたものがこちらです。申請書と図面を作成するのに下準備も含めて2週間くらいかかっているので、大体引き渡しの2か月くらい前から動き出しています。

登記の流れ toko作成

かかった時間と費用

これらの流れで登記を進めて、かかった時間と費用をまとめると、合計15.5時間、15,650円がかかりました。

これで数十万円の費用が浮いて、さらに達成感も得られましたので、私としては大満足です。みなさまはどう感じるでしょうか?

作業時間(h)
下調べ5
申請書・図面作成および修正8
法務局相談1
関係者とのやり取り1
実地調査0.5
合計15.5
かかった時間 toko作成
費目金額(円)
登録免許税10,000
三角スケール800
三角定規250
製図用ペン150
コピー代(コンビニで印刷する場合のみ)500
レターパック代(遠方の場合のみ)2200
住民票発行手数料450
家屋証明書発行手数料1,300
合計15,650
かかった費用 toko作成

まとめ

ここまで新築戸建て住宅の登記に関して、私の経験から全体像をお伝えしてきました。

これから実際に自分で登記をする手順の記事も書いていきますので、その内容と見比べて、これなら自分でできる!や、これならプロに頼んだ方がよさそう。など判断していただければと思います。

私の経験はあくまで静岡県の地方法務局でのケースではこうなったということであり、ぜひ自分で登記をやってみたいと思われた方々は、その地域の法務局へ相談してみてください。きっと親切に教えてくれると思います。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日のレシピ
  • 新築戸建ての登記は自分でもできるし、やり遂げたときの達成感が心地よい!
  • 各地域の法務局毎に登記の取り扱いが異なることがあるので、ネットの情報を鵜吞みにせず法務局へ相談する

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